良い木材(1×4材など)を選んだら、次に重要なのが「ビス」選びです。
「どれも同じだろう」と適当に選んでしまうと、木が割れたり、キャンプ場で使っている最中にガタついたり、あるいは雨ですぐに錆びてしまったりします。
ビス選びは、いわば**「キャンプの靴選び」**と同じ。目的地(作るもの)に合わせた最適な一足を選ぶことが、DIY成功への近道です。
今回の記事では、DIY初心者向けにビスの形状による性能や用途の違いから、作品に適したビル選びの方法、プロも実践する意匠技術をわかりやすくまとめました。
アウトドアだけでなく様々なDIYに役立つ内容になっています。
Table of contents⇩
- 構造の違い:「全ネジ」と「半ネジ」を使い分ける
- 用途別!DIYでよく使うビスの種類
- 見た目と機能を左右する「頭の形」
- プロの仕上がりを作る「皿取り(ザグリ)加工」
- キャンプDIYで失敗しないための2つの基準
- まとめ:正しいビス選びが「一生モノ」のギアを作る
構造の違い:「全ネジ」と「半ネジ」を使い分ける
ビスには、ネジ山の付き方によって**「全ねじ」と「半ねじ」**の2種類があり、特に木材の組み立てにおいてその機能と用途には明確な違いがあります。

全ねじ(フルスレッド)
- 機能: ビスの軸全体(先端から頭の付け根まで)にネジ山が切られているタイプです。打ち込む際に木材全体に均等に力がかかりますが、木材同士を固定する場合、部材の間に隙間ができやすいという性質があります。一方で、大きなメリットとして、万が一ネジの頭部が破損して取れてしまっても、材の中にネジ部分が残っているため、締め付けの状態を保持し続けることができます。
- 用途: ビスの長さが短いものは全ねじであることが一般的です。また、隙間が空かないようあらかじめ接着剤やクランプで材をしっかり固定した状態で打ち込む際や、構造的に全体で保持力を発揮したい場合に使用されます。
半ねじ(パーシャルスレッド)
- 機能: 先端から半分程度までネジ山があり、頭に近い方の軸にはネジ山がないタイプです。打ち込むと、先端のネジ山が奥の材を捉え、山のない部分が手前の材を通り抜けることで、**木材同士を強力に引き寄せる力(引寄せ力)**が生まれます。これにより、部材間に隙間を作らずにぴっちりと締め付けることが可能です。
- 用途: 木材同士を接続・接合するDIY作業に最も適しています。特に長いビスを使用して家具や構造物を組み立てる際は、この引き寄せ効果を得るために半ねじタイプを選ぶのが一般的です。
使い分けのまとめ
| 特徴 | 全ねじ | 半ねじ |
|---|---|---|
| ネジ山の範囲 | 軸のすべて | 先端から半分程度 |
| 主な機能 | 頭が取れても保持力を維持できる | 木材同士を強力に引き寄せる |
| 適した用途 | 短いビス、事前固定後の打ち込み | 木材同士の接続、隙間の防止 |
用途別!DIYでよく使うビスの種類
ホームセンターの売り場で迷わないために、代表的なものを押さえましょう。
- コーススレッド: 木工DIYの定番。ネジの目が粗く、スピーディーに力強く締結できます。
- 細ビス(スリムビス): コーススレッドより細く、木割れしやすい端の方に打つ際に適しています。
- ドリルビス: 先端がドリル状で、下穴なしで鉄板や金属に打ち込めます。カスタムギア製作に便利。
- コンクリートビス: 下穴をあけてプラグを差し込み固定するビス。コンクリートの壁に棚を固定するときなどに使用する。
- 石膏ボード用ビス:石膏ボードを固定するためのビス。錆びにくくパテ盛りがしやすい形状のものもある

見た目と機能を左右する「頭の形」
ビスの頭の形は、デザイン性だけでなく、部材を抑える力や安全性に関わります。
| 形状 | 特徴とおすすめの用途 |
| 皿(さら) | 上面が平らな円錐形。表面をフラットに仕上げたいDIYの基本形。 |
| ナベ | 鍋をひっくり返したような丸み。金具の固定や、あえてネジを見せるデザインに。 |
| 丸皿 | 皿ネジの上面が盛り上がった形状。装飾性が高く、アンティーク風に。 |
| トラス | 頭が低く径が大きい。接地面積が広く、薄い板を強力に抑えたい時に。 |
| 小形皿 | 皿ネジより頭が小さい。目立たせたくない場所や、狭い場所に。 |
| ラッパ | 石膏ボードなどの脆い部材を固定する際に使用する。保持力が高い。 |
| シンワッシャー | ワッシャー一体型。頭がめり込みにくく、柔らかい材や鉄板固定に。 |
プロの仕上がりを作る「皿取り(ザグリ)加工」
ホームセンターで最も手に入りやすいのは「皿ビス」ですが、そのまま打ち込むと頭の円錐部分が木を押し広げ、表面がささくれたり、頭が浮いてしまったりします。
そこで重要なのが**「皿取り(ザグリ)加工」**です。

なぜザグリ加工が必要なのか?
- 面一(つらいち)の美しさ: 事前にドリルで頭と同じ形のくぼみを作っておくことで、頭がスッポリ収まり、表面がフラットになります。
- 安全性の向上: キャンプギアの天板や座面で、ネジの頭が引っかかるトラブルを防げます。
- 意匠性(デザイン)のアップ: 特に意匠性を高めたい場合は、深めにザグリを入れて「ダボ(木栓)」で蓋をすれば、ネジを完全に隠すことも可能です。
迷ったら皿ビス+皿取キリ!
DIYで最も汎用性が高いのは皿ビスです。専用の「皿取キリ(下穴と皿取りが同時にできるビット)」を一本持っておくだけで、あなたのキャンプギアの完成度は劇的に向上します。
一般的な大きさのコースレッド(木工ビス)は、5 mm程度の面取りで綺麗に仕上がるので
どちらの大きさのカッターでも対応できます。
細かいDIYが多い方は 2~5mm用、棚などの作成がメインならば 5~10用を選ぶのがおすすめです。
2~5mm用
5~10mm用
キャンプDIYで失敗しないための2つの基準
最後に、屋外で使うギアだからこそ守るべき基準を紹介します。
① 長さの黄金比は「厚みの2.5〜3倍」

木材と木材をしっかり固定したいとき、ビスの長さは**「取り付ける板(手前の板)の厚みの2.5〜3倍」**を基準にしましょう。
- 計算例: 厚さ19mm(1×材など)の板を固定したいなら…
- 19mm × 2.5 ≒ 47.5mm ビスの長さ 50mm
- 19mm × 3 ≒ 57mm ビスの長さ 60mm
つまり、50mm〜60mmのビスが最適です。この長さを選ぶ理由は、土台となる下の材に、ビスが「自分の厚みの1.5倍〜2倍以上」食い込むことで、木の繊維をしっかり掴み、十分な保持力が生まれるからです。
金物(フックやL字金具)を付けるときは「裏側」に注意!
金物を木材に取り付ける場合は、ルールが変わります。一番の注意点は**「木材を突き抜けないこと」**です。
- ポイント: 金物の厚み + 打ち込む木材の厚み を超えない長さを選びます。
例:厚さ 19mmの木材 + 金物 1mm = ビスの長さは20mm以下のもの - 理由: 裏側にビスの先が出ていると、怪我の原因になったり、見た目が悪くなったりするためです。
安全と美しさを両立させるため、事前に板の厚みを測り、余裕を持った長さを選びましょう。
要注意!ビスの形状で「長さの測り方」が変わる
実は、ビスの種類によって「どこからどこまでを長さと呼ぶか」の定義が異なります。これを間違えると、計算より短くなってしまうことがあるので要注意です。
- 皿(さら)ビス: 頭の先から先端まで(全長)
- なべ・トラス・六角: 頭の下から先端まで(首下)
- 丸皿ビス: つば(首の下)から先端まで
**「平らになるビス(皿)は全長、頭が出るビスは首下から」**と覚えると間違いありません。
② 屋外なら「ステンレス製」が鉄則
焚き火の湿気や朝露にさらされるキャンプギアは、普通のビスだとすぐに錆びてしまいます。見た目の美しさと強度を保つため、必ず**「ステンレス製」**を選びましょう。
まとめ:正しいビス選びが「一生モノ」のギアを作る
「せっかく作ったのにガタガタする」「錆びて汚くなった」という失敗は、ビス選びで解決できます。
- 半ネジでしっかり引き寄せ
- 皿ビス+皿取り加工で美しく仕上げ
- ステンレス製でサビを防ぐ
このポイントを意識して、次の週末は理想のキャンプギアを自作してみませんか?
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一般的な大きさのコースレッド(木工ビス)は、5 mm程度の面取りで綺麗に仕上がるので
どちらの大きさのカッターでも対応できます。
細かいDIYが多い方は 2~5mm用、棚などの作成がメインならば 5~10用を選ぶのがおすすめです。
2~5㎜用
5~10㎜用
