キャンプやアウトドアでの調理は、火の扱いがすべてを決める。だが、薪を大量に使う焚き火は、準備と扱いに手間がかかる。一方、停電や災害時に「火力を安定して生み出す手段がほしい」と考える家庭も増えている。
そこで注目されているのが、少ない薪で高火力を生む「ロケットストーブ」。無骨な佇まいと実用性を兼ね備え、キャンプギアとしてだけでなく、家庭の備えとしても価値が高い。
本記事では、ロケットストーブの仕組み・メリット・選び方を、初めての人でも理解できるように解説する。
目次
ロケットストーブとは

ロケットストーブとは、少量の薪や小枝でも高い火力を生み出せる燃焼効率の高いストーブ。
シンプルな構造ながら、煙が少なく、熱がまっすぐ上に集中する特性を持つ。もともとは途上国での燃料消費削減や災害時調理用に研究・普及してきたものだが、今ではアウトドアでの調理ギアとしても注目されている。
仕組みと火力が強い理由
ロケットストーブは、薪を投入する燃焼室と、燃焼で生まれた熱気を上方向に通す**煙突(ドラフト構造)**を組み合わせている。
この構造により以下が成立する。
- 空気が勢いよく燃焼室へ流れ込む
- 燃焼温度が上がり、薪がムダなく燃える
- 炎がまっすぐ上に集中する
- 未燃焼ガスも再燃焼し、煙が少なくなる
燃焼時に生じる「ゴォー」というロケットのような音は、このドラフト効果によるもの。
炎が強く、まっすぐ立ち上がるため、調理効率が高い。
ロケットストーブが選ばれる理由(メリット)

| メリット | 内容 |
|---|---|
| 少ない薪・小枝で高火力 | 燃焼効率が高く、燃料消費が少ない |
| 煙が少ない | 未燃焼ガスまで燃やしきる構造 |
| 湯沸かし・炒めもの・煮込みに向く | 炎が一点に集中し、熱が鍋底に集まる |
| 直火禁止のキャンプ場でも使いやすい場合がある | 焚き火台扱いのため(※利用ルール確認必須) |
| 災害・停電時にも使用できる | 薪・小枝・廃材など現地燃料で稼働可能 |
| DIYしやすい | 缶・レンガ・鋼管などで製作できる |
特に**「薪を大量に使わない」**という点は、キャンプでも防災でも大きな実利となる。
どんな場面で役立つか
キャンプ
- 湯沸かし、コーヒー、スープ、炒めものに最適
- ソロでもファミリーでも使いやすい
- 焚き火よりもコンパクトな燃料運用が可能
日常・庭・ガレージ
- 週末の外調理
- ベランダや庭での簡易クッキング
- スキレット、シエラカップとの相性が良い
災害・停電時
- ガスや電気が止まっても火力確保が可能
- 燃料は「小枝」「木片」「棚材」でも代用可
- 鍋ひとつで「湯」「食事」「暖」までまかなえる
→ 家族を守るための“備えられる火”としての価値が高い。
「燃料確保がしやすい」という最大の強み
ロケットストーブは、薪を割って持ち込む必要がない。
落ちている小枝・庭木の剪定枝・木片・廃材など、身の回りのものを燃料として使える。
災害時にカセットボンベが底をついた時でも、現地で燃料を調達できるというのは大きな安心感になる。
「湯を確保できる」ことは生命線に直結する
停電や断水時、まず困るのが「温かい飲食物」と「衛生」。
ロケットストーブなら、鍋をひとつ乗せるだけで、
- 飲み水の沸騰(煮沸消毒)
- インスタント食品・スープの調理
- 子どものミルクの湯沸かし
まで行える。
湯を確保できるというのは、ただ食事ができるだけでなく、精神的な安定にもつながる。
寒い季節は「暖」が取れる
調理中に発生する排熱は、手を温めたり、周囲の空間を暖める熱源として使える。
コンパクトな熱効率の高い火力装置として、生活を支える“火”の役割を担える。
ロケットストーブの基本的な使い方

- 燃料を準備する
- まずは細い枝(直径3〜5mm程度)を多めに用意する
- 次に、鉛筆〜指程度の太さの枝を少量
- 最後に主材となる太めの薪(指〜親指太さ)
- 細い枝から燃焼室に入れる
- 最初は“あえて細いものしか入れない”
- 炎の立ち上がりが早く、ドラフト効果を発生させやすい
- 空気の通り道を確保する
- 枝は詰めこまない
- 炎は「空気の通り道」があると強く立ち上がる
- 中枝〜本薪を徐々に投入する
- 急に太い薪を入れると失火しやすい
- 炎が安定してから段階的に太さを上げる
- 火力調整は“薪の押し込み量”で行う
- ロケットストーブは「薪の量」より「薪を燃焼室へどれだけ押し込むか」で火力が変わる
- 鍋が焦げそうなとき → 薪を少し引き抜く
- もっと火力が欲しいとき → 薪を2〜3cm押し込む
初心者がつまずくポイントと対策
| つまずきがち | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 火がつかない | 太い薪から入れている | 細い枝 → 中枝 → 太めの順を徹底 |
| 火力が弱い | 空気が足りない | 枝を詰めず、空気の通り道を確保 |
| 鍋の底が焦げる | 火力が強すぎる | 押し込み量で火力調整する |
→ “太い薪をいきなり燃やそうとしない”が重要
初心者が選ぶ際のポイント
| ポイント | 解説 |
|---|---|
| 素材 | ステンレス=軽量で扱いやすい / 鋳鉄=蓄熱性高いが重い |
| サイズ | ソロなら小型、家庭兼用なら中型 |
| 五徳(鍋を置く台) | 必須。安定性が調理の快適さを左右する |
| 燃料投入口の大きさ | 薪の長さ調整が楽なものほど扱いやすい |
おすすめモデル:EcoZoom Versa(エコズーム ヴァーサ)

ロケットストーブのなかでも、防災用途とキャンプ調理の両立を考えるなら「EcoZoom Versa」が有力候補。
燃焼効率の高いロケット構造に加え、外装は耐久性の高いセラミック断熱材+鋳鉄製五徳を採用。炎の熱を無駄なく鍋底に伝えられるため、湯沸かし・煮込み・炒めものまで火力が安定する。
特に優れているのは、燃料を選ばない点。
薪・小枝はもちろん、廃材・木片・固形燃料にも対応。停電時など、手元の素材で火力が確保できるのは防災ギアとして大きな強み。
コンパクトながら“生活を支えられる火力”を出せるストーブ。
キャンプ場でも、自宅の庭でも、非常時でも、頼れる存在になる。
こんな人に向いている
- 家族のために「備えられる火」を確保しておきたい
- 調理に使える実用性のある火器が欲しい
- 薪を大量に消費しない効率の良いギアを選びたい
主な特徴(ポイント)
- 少量の薪・小枝で力強い火力
- 煙が少なく調理に向く燃焼構造
- 鍋・フライパンを安定して乗せられる五徳
- 防災備蓄にも適した頑丈な構造
まとめ
ロケットストーブは、少ない燃料で高火力を生み、煙を抑えつつ効率的に調理ができるストーブ。
キャンプの調理ギアとして優秀であり、同時に家庭の防災用としての実用性も高い。
直火焚き火の“雰囲気”とは異なるが、
火力の使いやすさと、燃焼効率という「機能の美しさ」を味わえる道具である。
一本の薪、数本の小枝から生まれる確かな火力。
その堅実さは、日常から非常時まで、長く信頼できる。
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